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GC Method

GC工法とは

下地改質から表面保護までを、同一系統の材料で構成する補修システムです。鋼部材の防食からコンクリート部材の断面修復・剥落予防までを同一系統で構成できるため、部位ごとに材料系統が変わらず、材料相性の確認と工程管理を単純化できます。開発元は株式会社グローケミカル(福井県鯖江市)です。

Mechanism

メカニズム

従来の塗替えは「既存塗膜と錆を除去し、新しい塗膜を張る」ことを前提とします。そのため素地調整の品質が仕上がりを大きく左右し、錆が残存すれば再腐食のリスクが残ります。GC工法は、浮き錆・死膜・浮き塗膜を除去したうえで、残存する劣化層に浸透・固着させ、既存層を内側に取り込んだまま防食層を再構築します。錆を化学的に還元して無害化する材料ではなく、錆層の深部まで浸透して固め、水分・酸素の侵入を物理的に遮断する防食技術です。

従来の塗替えとGC工法の違い(鋼部材の防食補修 断面の模式図)。従来の塗替えは既存塗膜と錆を除去して新しい塗膜を張るため、取り切れなかった錆が塗膜の下で腐食を進め、膨れ・割れにつながるおそれがある。GC工法は、残った錆・旧塗膜に①GC-100を浸透・固着させ、②GC-110で防錆層を形成し、③GCファインセラ水性で上塗り・保護層をつくり、水分と酸素を遮断する。
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Materials

構成材料

GC-100

浸透弾性プライマー(水性エポキシ樹脂系)

錆面・チョーキング面・湿潤面・コンクリート表層に浸透し、脆弱層を固着する。全工程の密着の基点。

GC-110

防錆・防水・耐薬プライマー/浸透性高強度接着注入材

鋼部材では防錆層を形成。コンクリート部材ではクラック部へ浸透接着し、中性化抑制効果を有する。

GC-500

クラック補修用パテ材/弾性接着剤(弱溶剤エポキシ)

亀裂部・欠損部・段差部の充填。剥離強度 1.63〜1.93 N/mm²(コンクリート系下地)。

GC-13樹脂モルタル+GC骨材V

水性アクリル樹脂系 樹脂モルタル

断面修復・不陸調整。柔軟性を有し、走行荷重による振動に追従する。

GC-2000P

一材形繊維補強ポリマーセメントモルタル

深い欠損部・厚付けが必要な断面修復(垂直面10〜40mm)に限定して併用。

3軸メッシュシート

連続繊維補強材

浮き・剥落が懸念されるコンクリート部材における剥落防止を目的とした補強材。

GCファインセラ水性

2液形オルガノポリシロキサン系 超耐候性上塗り材

紫外線・雨水に対する保護層を形成。低汚染性。所定の層構成において不燃材料認定を取得。

GC止水材

超即効性止水材(粉体・無収縮モルタル)

桁端部・伸縮装置下・貫通部などの漏水箇所の止水処理。

Applications

適用分野と材料構成の一例

下表は、分野ごとの代表的な対象と材料構成の一例です。実際の層構成・使用材料・素地調整レベルは、劣化状態・下地条件・使用環境により異なります。現地調査を経て、部位ごとに決定します。

分野主な対象の例材料構成の一例
① 鋼材の錆
防食・延命補修
リーフレット(PDF)(新しいタブで開きます)
橋梁鋼部材、工場・プラント鉄骨、サイロ、屋外電気設備、鉄塔、屋根・外板GC-100 → GC-110 → GCファインセラ水性
② クラック
補修・剥落予防
リーフレット(PDF)(新しいタブで開きます)
トンネル覆工、橋梁下面、建築外壁、擁壁、柱GC-100/GC-110/GC-500/GC-13+3軸メッシュ/GCファインセラ水性
③ 鋼管ポール
根元腐食補修
防犯灯、街路灯、道路照明柱、標識柱、フェンス支柱GC-100/GC-110/GC-500/GC-13(重度は鋼製スリーブ併用)
④ 漏水
止水・防水固着
地下構造物、共同溝、マンホール、上下水道施設、ボックスカルバートGC止水材/GC-100/GC-110/GC-13(止水 → 防水 → 断面修復 → 表面保護の順に連続施工)
⑤ 橋梁
長寿命化補修
鋼桁・支承・添接板部、橋脚・橋台・地覆、床版上記①②④を部位別に組み合わせ

※ 上表は仕様書に記載できる標準仕様ではありません。適用可否および仕様の確定には現地調査が必要です。適用できないケースは下記をご確認ください。

Test Data

性能データ

記載した数値はいずれも指定条件下での試験結果であり、実環境における耐用年数を保証するものではありません。材料単体の試験結果と、工法体系全体としての試験結果は区別して記載しています。

はく落防止性能(NEXCO トンネル覆工はく落防止性能試験)

剥落を防ぐ層構成(コンクリート部材)の模式図。コンクリート躯体の上に、①GC-100(表層に浸透し脆弱層を固着)、②3軸メッシュシート(連続繊維補強材)、③GC-13樹脂モルタル(断面修復・不陸調整)、④GC-100(浸透弾性プライマー)、⑤GCファインセラ水性(上塗り・保護層)を重ねる。押抜き試験(JSCE-K533準拠)の判定基準は変位10mm以上で1.5kN以上、結果は2.27〜2.62kN。
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試験項目試験方法判定基準結果
はく落防止の押抜き試験JSCE-K533準拠(土木学会)変位10mm以上で1.5kN以上2.53 kN(−30℃)/2.27 kN(+23℃)/2.62 kN(+50℃)
はく落防止の押抜き試験試験法734荷重値1.1kN時の変位量が50mm以下0.35 mm
はく落防止の耐久性能試験
(塗膜劣化の評価)
試験法425負荷前後の変状の有無変状なし/光沢度保持率 90.4%(84→76)
はく落防止の耐久性能試験
(ひび割れ抵抗性保持率)
試験法425押抜き試験結果の最低値×最少保持率が1.5kN以上最少保持率 88.6%
2.27 kN × 88.6% = 2.01 kN
はく落防止の耐久性能試験
(付着強さ保持率)
試験法425押抜き試験結果の最低値×最少保持率が1.5kN以上最少保持率 87.9%
2.27 kN × 87.9% = 2.00 kN
はく落防止の耐久性能試験
(塩化物イオン透過性)
試験法4250.005 g/㎡・日 以下0.0009 g/㎡(負荷前後とも)
ひび割れ含浸性能試験法426曲げ強度として 2.0 N/mm² 以上5.06 N/mm²(平均)
接着強さ(湿潤接着強さ)試験法7351.5 N/mm² 以上2.01 N/mm²(平均)
接着強さ(温冷繰返し)試験法7361.5 N/mm² 以上1.90 N/mm²(平均)
トンネル補修材料の延焼性試験試験法738消炎時間30秒以内、延焼範囲600mm以内消炎時間 8.5秒(平均)/延焼範囲 200×200 mm
ガス有害性試験防耐火性能試験Xs(平均行動時間-標準偏差)6.8分以上14.84分(平均)

試験機関:ベルテクス株式会社 試験分析センター(株式会社グローケミカル 依頼試験)/供試体作製:湿潤・23℃

※ 上記は、GC-100+3軸メッシュ+GC-13樹脂モルタル+GC-100+GCファインセラ水性で構成した工法体系全体としての結果です。塗布材料単体の性能ではありません。剥落防止性能を求める場合は、メッシュを含む層構成での施工が前提となります。

※ 耐久性能試験(試験法425)の負荷条件は、キセノンランプ1200h照射後、−30℃〜60℃の温冷繰返しと水酸化カルシウム飽和溶液水浸を1サイクル24hで30回繰り返すものです。上表の保持率はこの負荷の前後での試験値比率です。

試験報告書の全文は、お問い合わせフォームよりご請求ください。

中性化抑制効果(促進中性化試験)

試料NEXCO試験法439
26週後の平均中性化深さ
JIS A 1171
28日後の平均中性化深さ
比較用標準コンクリート/モルタル18.4 mm7 mm
GC-10011.4 mm—
GC-1100.9 mm0 mm
GCファインセラ水性1.6 mm0 mm
GC-13樹脂モルタル—6 mm

試験機関:株式会社M・T技研(令和6年2月実施)/NEXCO試験法439:20±2℃・RH60±5%・CO₂濃度5±0.2%・促進期間6ヶ月/JIS A 1171:30±2℃・RH60±10%・CO₂濃度5±0.2%・促進期間1ヶ月

※ 中性化抑制は、被覆層が健全に形成されていることを前提とした値です。塗布量不足・工程間隔不足により膜厚が確保されない場合、この性能は成立しません。協会が塗布量と工程間隔を現地で管理しているのは、この前提を担保するためです。

※ 促進中性化試験成績書における表面保護塗料の表記は「コスモファインセラ水性」です。本サイトでは開発元の製品名称であるGCシリーズ表記に統一しています。

成績書:促進中性化試験成績書(PDF)(新しいタブで開きます)

不燃性能(発熱性試験)

下地総発熱量(試験体A/B/C)200kW/m²超過継続時間
(規定値 10秒以下)
防火上有害な変形
せっこうボード下地6.6/6.4/6.8(規定値 8 MJ/m² 以下)7/7/7 秒なし(3体とも合格)
亜鉛めっき鋼板下地3.0/2.2/3.1(規定値 8 MJ/m² 以下)0/0/0 秒なし(3体とも合格)

試験実施日:2026年3月23日/輻射強度 50 kW/m²・試験時間20分/材料名:酸化チタン混入オルガノポリシロキサン系樹脂塗装

試験成績書は、お問い合わせフォームよりご請求ください。

クラック部の浸透接着性能(GC-110/曲げ性能回復率)

施工条件・比較対象曲げ強度強度比
基準材(破断前)1.05 N/mm²100 %
他社 錆転換系エポキシ注入材0.38 N/mm²36.1 %
GC-110/クラック部に上から注入0.44 N/mm²42.1 %
GC-110/事前に塗布・浸透させたうえで注入1.04 N/mm²99.2 %

出典:GC-110 製品資料。試験体は乾燥コンクリートのクラック部(配合 主剤:硬化剤=1:0.5)。

Certification

公的登録・認定

不燃材料認定国土交通大臣認定 NM-6142(国住参建第1559号)/NM-6143(国住参建第1560号)
令和8年7月13日交付・認定取得者 株式会社グローケミカル
認定書:NM-6142 不燃材料認定書(PDF)(新しいタブで開きます)/NM-6143 不燃材料認定書(PDF)(新しいタブで開きます)
NETIS登録登録番号 KT-220034-A/新技術名称:コンクリート構造物補修材料 EXGリペアシリーズ/区分:材料/開発会社:株式会社グローケミカル、エクシオグループ株式会社

※ NETIS上の技術名称は共同開発者側の製品名称で登録されており、GCシリーズと同一材料です。共同開発者は2025年6月末をもって当該シリーズの販売を終了しています。掲載期間・登録内容は変動しますので、引用時は最新のNETIS掲載情報をご確認ください。

不燃材料認定の適用範囲

認定の対象となる層構成表面化粧材(酸化チタン混入オルガノポリシロキサン系樹脂塗装 108±20 g/㎡)+ 表面処理剤(エポキシ系樹脂 15±2 g/㎡以下)+ 不燃基材
NM-6142の基材不燃材料(金属板を除く)※平成12年建設省告示第1400号に例示された不燃材料のうち、アルミニウム・壁土、すでに化粧を施されたもの、鉄鋼・金属板を除く
NM-6143の基材不燃材料(金属板)※平成12年建設省告示第1400号に例示された鉄鋼及び金属板のうち、すでに化粧を施されたものを除く

※ GC工法の全構成(GC-13樹脂モルタル・3軸メッシュ等を含む層構成)が不燃材料認定を受けているものではありません。不燃性能が要求される用途では、対象となる層構成と基材の条件をご確認のうえ、協会へご相談ください。

Conditions

施工可否の条件

施工温度気温5℃以下、または施工後数時間以内に5℃以下となる可能性がある場合は施工しない。GC-110は表面温度10℃以下および35℃以上での施工を避けるため、低温期はGC-110の条件が支配的になります。上限は35℃を目安とします。
相対湿度85% 以下。GCファインセラ水性は相対湿度85%以上では施工できません。
天候降雨・降雪のおそれがある場合、強風時は施工しない。塗布後1時間以内に降雨に遭った場合は再施工を検討する。
下地含水率10% 以下(施工前に確認すること)
下地処理鋼部材は3種ケレン以上(浮き錆・層状錆・脆弱塗膜の除去が前提)。コンクリート部材は高圧洗浄により脆弱層・付着物を除去する。
施工方法ハケ・ローラー・コテ塗り。吹付け施工は標準仕様に含まれません。
養生・工程間隔GC-100は硬化養生24時間、GC-110は16時間。次工程までの間隔は1〜5日、GCファインセラ水性の中塗り→上塗りは4時間以上。養生完了は7日を目安とする。
Not Applicable

適用できないケース

先に「できないこと」を把握することが、施工トラブルと信用毀損の予防になります。この切り分けを現地で行うことが、協会の最初の仕事です。

  • 指定重防食仕様の完全代替が求められる工事、1種ケレン・ブラスト指定工事
  • 著しい腐食減肉・孔食・断面欠損により構造耐力が低下している部位(当て板補強・部材交換等の構造的補修を優先)
  • 常時湿潤・冠水する部位
  • 構造耐力に影響する貫通クラック、進行性の大きいクラック(構造照査を経たうえで仕様決定。設計者または構造技術者による確認を前提とする)
  • 浮き錆・層状錆を除去できない場合(下地処理が成立しないため、本工法の性能は発揮されません)
  • フッ素系・無機系の塗装処理がされた下地(付着性が十分に発揮されないおそれがあるため、事前に付着確認試験が必要)
  • 著しい腐食・厚錆により素地調整2種相当が必要な場合は別途協議
For Designers

仕様書・設計図書を作成される方へ

素地調整の指定1種ケレン・ブラストが指定されている場合、本工法は対象外です。本工法は3種ケレンを前提とした計画を成立させるための工法です。
施工方法の指定吹付け施工は標準仕様に含まれません。ハケ・ローラー・コテ塗りを前提とした歩掛りでご検討ください。
施工時期冬期にかかる場合は温度条件(特にGC-110の表面温度)が制約になります。工期設定の段階でご相談ください。
上塗り材の指定トンネル内部・桁下・箱桁内部など紫外線が届かない環境では、上塗り材の選定を別途ご相談ください。
剥落予防の要否剥落予防を要求される場合は、3軸メッシュシートを含む層構成が前提となります。
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資料ダウンロード

GC工法の概要と、分野別の補修資料をPDFでご覧いただけます。サイトに掲載していない詳細仕様・試験成績書は、お問い合わせに応じて提供します。

  • GCシリーズ/GC工法 総合案内

    5つの補修分野、しくみと標準工程、性能データ、施工事例をまとめた総合案内です。

    PDF・A4横・6ページ・約3.7MB

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  • GC工法リーフレット 鋼材の錆 防食・延命補修

    橋梁の鋼部材や工場の鉄骨などの錆に対する、防食・延命補修の考え方と標準工程です。

    PDF・A4横・2ページ・約2.8MB

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  • GC工法リーフレット コンクリートのひび割れ補修・剥落予防

    ひび割れ補修と、3軸メッシュを使う剥落予防の考え方と標準工程です。

    PDF・A4横・2ページ・約2.7MB

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適用可否のご相談を承ります

点検調書・写真の段階でも、適用可否の見立てと、現地調査が必要な範囲をお伝えできます。設計段階でご相談いただくほど、適用外部位の切り分けを仕様に反映しやすくなります。

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